※この記事は2019年の体験を、当時の日記をもとに振り返ったものです
「停電なんて、せいぜい数時間でしょ?懐中電灯とモバイルバッテリーがあれば大丈夫。」
以前の 私は、本気でそう思っていました。
ですが、2019年の千葉県の台風停電。
エアコンの止まった34℃の部屋で、真っ赤な顔をしてぐったりする我が子を抱き上げたとき、自分の考えがいかに甘かったかを痛感したんです。
「このままじゃ、この子を死なせてしまうかもしれない」
あの時、パニックになりながら必死で水シャワーをかけた恐怖は、今も忘れられません。
この記事では、ワンオペで幼い子2人を抱えた私が、猛暑の停電4日間のリアルな記録を綴ります。
この記事を読むと
- 「夏の長期停電」の恐ろしさ
- なぜ普通の防災グッズだけでは「子ども」を守れないのか
- 危険な目にあって初めて分かった、命を守るための「絶対条件」
これらが、私の失敗談を通してリアルにイメージできるようになります。
「あの日、これさえあればあんなに怖い思いをさせずに済んだのに……」という私の後悔を、あなたの備えのヒントにしていただければ嬉しいです。
千葉県台風停電
2019年9月9日。台風15号による暴風の影響により、千葉県では最大で約64万戸が停電。
完全復旧まで19日間かかり、残暑の中の長期停電のため熱中症で亡くなった方もいました。
我が家の停電体験1日目:まぁそのうち復旧するでしょ?(正常性バイアスの罠)
9月9日。台風一過の月曜の朝です。
夜中にエアコンが止まっていたため、寝苦しさで目覚めました。
前夜の台風通過中は、暴風で家が激しく揺れ生きた心地がしませんでしたが、ざっと点検してみたところ一応無事のようで一安心です。
電気は全くつかないものの、上下水道とガスはその時点で使えました。
すでに茹だるような暑さの中、夫がとりあえず車で出社。
ネット検索をしてもまだ被害状況は分からない頃でしたが、非常事態の中私1人でこどもを見なければならないという強い不安に襲われたのを覚えています。
幼稚園も停電で休園となり、年長と未就学児のこどもと買い置きのパンを食べて朝食終了。
冷蔵庫は開けなければ1日持つと聞いていたのですが、飲み物なしではいられず、素早く牛乳パックを出し入れしました。
とにかく暑い。そしてやることがない。
倒木による通行止めのため一旦引き返してきた夫も、再び出社。
どうやら大変な事になっているらしいと不安はどんどん増していきます。
ラジオやネットで停電の情報を見ても、復旧の見込みは不明のままです。
充電も気になるので長時間スマホを見ていられませんでした。
そのうちに暑い暑いとぐずり出す子供達。それもそのはずで、この日の最高気温は32.5℃。
生まれた時から冷房があるのが当たり前だった子供達にとっては初体験でした。
いつもならEテレやビデオやDVDに助けられつつ何とかこなしてる子育ても、一切の電化製品が使えないと途端にハードモードに!
普段からアナログの遊びを用意しておくべきだった…と後悔しました。

「テレビやYouTubeなしで、どう過ごせばいいの…?」
あの時の私のように途方に暮れているママへ。
今の私が用意している、電気がなくてもできる「こどものひまつぶし」はこちらにまとめています↓↓↓
暑さ対策が甘すぎた
当時、家にあって使えた暑さ対策グッズは
うちわ のみ!!
エアコンがあるから、とリビングの掃き出し窓側にサンシェードすら置いてありませんでした。
今考えると無謀すぎますね。
霧吹きで水を体にかけて、うちわで仰ぐ。
気化熱で冷えることを期待して、これの繰り返しで乗り切ろうとしていました。
子ども達はまだ上手に扇げず、「ママ扇いで~」の連発(涙)
しかも、この日はほとんど風がない!
家中の窓を全開にしても、ちっとも風が通らないんです。
暇だけど何もする気が起きない、何も出来ないほどの暑さでした。
昼過ぎには冷蔵庫の保冷を諦め、とにかく水分補給を重視してひたすら麦茶を飲みます。
ですが、冷たくない飲み物だと飲んでもさっぱりすることもなく……。
有り余る時間を、ひたすら暑さと不安に耐えました。
運よく断水はしていなかったので、水シャワーで汗を流します。
夕暮れになっても暑さは収まらず、拭いてる側から汗が吹き出したので、あまり意味がなかったかもしれません。
一日中うちわで扇いでたから手首が痛かった…泣

これに懲りて、乾電池式扇風機を備えました。
買うなら是非!一人一台用意した方がいいですよ!
我が家では試運転で奪い合いの喧嘩になりましたので笑
おすすめの乾電池式扇風機はこちらの記事で紹介しています↓↓↓
真っ暗な中での「手探り」の家事
夕暮れ時、追い打ちをかけるようにやってきたのが「思った以上の暗闇」でした。
いつもならスイッチ一つで明るくなるキッチンが、真っ暗。
防災用に懐中電灯は買ってありましたが、電池が新品でも、料理するには暗すぎる!!!
片手が塞がるし、光が強すぎて影が濃くなり、こどもが「怖い!」 と泣き出してしまいました。
気分転換もかねて、100均で買ってあったケミカルライト(ポキっと折ると光るアレです)をありったけ折って、ネックレスやブレスレットに。
お祭りみたいとちょっと泣き止んでくれました。

今思えば全然明かりが足りなかったですね。
予備の電池も少なかったので、明るさマックスにも出来ず…汗
それからはソーラー式のランタンを備えて、普段使いしてます。
ほんわりした明かりなので、ベッドサイドで活躍中↓↓
折りたためるので旅行にも持っていけて、落としても割れない!
これは大当たりでした。
冷うどんが冷たくない
冷蔵庫の中身が腐るプレッシャーから、夕飯はこどもにゆでうどん・大人に餃子に決定。
日中の暑さで水道水はぬるま湯、少しでも冷凍庫の温度を保たせようと麺つゆを冷やすための氷も少しだけです。
日が暮れても室温30℃の蒸し暑さの中、こどもたちの箸も進みません。
夫が帰ってきてから、やっと手元が見えるくらいのランタンの明りで汗だくで冷凍餃子を焼く。
冷凍ご飯を30分ほど自然解凍し、10分ほど蒸して食べました。
いつもと同じ味なはずなのに、全っ然!!美味しくない!!
頭の中が「暑い」でいっぱいで、体力がゴッソリ持っていかれてしまい食欲が出なかったです。

暑くて暗い中の料理はキツかった…泣
今思えば、もっとサッパリ&ひんやり系にすればよかったです。
- 冷凍ご飯を自然解凍+インスタントみそ汁を水道水で冷や汁風
- 牛乳消費も兼ねて、まだ冷たいうちにシリアル
- おかゆのレトルトパックに梅干しプラス
- 自然解凍で食べられる冷凍食品
こんな感じで、ママも休めるものがおすすめですね。
暑くて寝られない
外にテントを置いて寝れば、多少なりとも風が通ったのかもしれませんが、防犯上危険すぎるので断念しました。
寝室の窓2つを全開にしても、ちっとも風は通りません。
接触冷感の寝具を使っていたのですが、熱帯夜でエアコン停止状態では効果は感じられませんでした。
ひたすら寝返りを打って背中の暑さを逃しても寝られず……
私の実質睡眠時間は2時間かそのくらいの体感です。
こども達は暑さでかなり寝つきが悪くなったものの、日中の疲労のためか何とか朝まで寝てくれました。

「とにかく風が欲しい」と切実に思いました。
なので今は、単1電池4本で50時間動く扇風機を備えてます↓↓
キャンプやお庭プールにも使えるし、コンセントでもOKなので便利で満足です。
我が家の停電体験2日目:早くも限界がきた!
前日の疲労感を引きずったまま起床。
家族全員だるさを訴えていました。
幼稚園も引き続き停電で、自主登園で園バスも出ないので休園しました。
相変わらずつかない電気と暑さに絶望します。断水してないのだけが唯一の救いでした。
いくらなんでも今日は復旧するよね……?
短時間のネットで情報収集すると、かなりの規模の停電だと分かってきました。
復旧の見込みは不明。
夫の職場や車で少し行ったところは、停電していなかったり、すぐ復旧したりと、自分の家がどうなるのか全く予想がつきません。
この時点で何とかすべきでしたが、長期の停電は経験したことがなかったので、流石に今日なら復旧するだろうと根拠なく思ってしまっていました。
我ながら楽観的すぎる!
今考えるとこれは正常性バイアスという災害時のありがちな心理かもしれないですね。
暑い、ひま、暑い
停電も2日目となると、こどもは限界です。
絵本もカードゲームも効果なし、完全なるネタ切れでした。
この日は最高気温がなんと34℃。
うちわと霧吹きでは太刀打ち出来ない暑さに、こどもたちもぐったり。
それなのに、ひたすら水をかけて仰ぐしか出来ないのが辛かったです。
加えて、うちわで扇ぎすぎて手首が限界!
冷たいもの飲みたいと泣かれても、ぬるいものしかあげられない。
何も出来ない申し訳なさで私も泣きたくなりました。
電波がなくなっていく不安
夕暮れ時に雲が広がったとき、気分転換に近所の公園に出ました。
曇りなら室内と外の気温はほぼ同じなので、風が通る分だけ外はマシでしたね。
意外と人はいて、大人は電話していたり子どもは自転車や遊具で遊んでいたり……
この頃から、ラインのメッセージが届きにくくなって室内では無理でした。
連絡手段がないって普通の生活ではほとんどないので、ものすごく不安になってきました。
公園の少しだけ丘のように高い所で辛うじて通じて、実家は未だ停電中。
隣の市の姉の家は復旧したので、大変ならいつでもおいでと誘ってもらえました。
とても有り難かったものの、夫が帰宅しないと車がない&復旧するんじゃないかという根拠のない期待で、お礼をいうだけで保留。
暑さでまともな判断力がなかったのかもしれません。
まさか熱中症!?
お風呂にためてあった水は台風前夜のものだったので、そろそろ限界かと思い、水風呂として使う事にしました。
下の子は寝てしまっていたので、上の子と2人で入ります。
猛暑とはいえ、流石に冷たくて水風呂は私には無理でした。
あまりに静かなので途中バスローブでこどもの様子を見にいくと、嫌な予感がしました。
寝てはいるけど、頬が赤く、身体は暑くて呼吸が荒い!!!
これ熱中症だ!と慌てて抱き上げました。
氷も保冷剤もないので、一瞬どうしようかと悩みましたが
昔漫画の動物のお医者さんで熱中症のワンコを洗濯槽にためた水で冷やしていたのを思い出し。
震える手で服を脱がせて、脇と首と内腿中心で水シャワーをかけました。
びっくりして起きて泣き出し嫌がるこども。
それでも体が冷えるまではと必死で抑えて水をかけ続ける。
その様子に驚いたのか、上の子も泣き出して惨憺たる状況でした。
慌てて緊急避難
水シャワーのおかげで、何とか下の子の熱も呼吸も治ったように見えましたが
このまま寝たら、気付かないうちにまた熱中症になって今度は手遅れになるかもしれない。
そう思うと、またエアコンのない家で寝るなんて無理でした。
急遽、夫が帰宅してから姉の家に避難します。
家付近では既に電波がなかったので、車で移動中に姉と連絡を取り、夜遅くに着いて泊めてもらいました。
2日ぶりにエアコンの効いた部屋で眠れ、まさに「生き返った〜!!」という感覚でした。
我が家の停電体験:その後
姉の家でそのまま二泊させてもらい、とても助かりました。
姉の家周辺はほぼ平常通り復旧しており、家族で近くのイオンで食事できた時は異世界に来たような感覚がありました。
電気のない生活って現代の多くの人にとっては本当に異世界みたいなものだと思います。
避難させてもらい命の危険はなくなりましたが、この時こどもとの避難の難しさに気づきました。
ただでさえ20分おきに兄弟喧嘩するようなうちの子。
はじめは良い子で姉のこどもと遊んでもらっても、おもちゃの取り合いや見たいテレビの違いで、簡単に揉めはじめる。
うちの子らか、姉の子らかどちらかが泣き出します。
申し訳なくて肩身が狭かった…!!!!
実家に移動
気を遣って疲れた頃に実家が復旧したので、その後は実家にお世話になりました。
翌日Twitter情報によると自宅付近が復旧したようなので、我が家の停電期間は4日と少しでした。
途中で耐えきれなくなりましたが、夏の停電の危険を思い知った四日間でした。
実家に二泊した後、自宅に帰りました。冷蔵庫の中身は全滅。
玉ねぎの薄切りの冷凍と鮭ハラミ切り身が異臭を放ち
変な汁が出ていて、掃除が辛かったです。
まとめ:あの日、危険な目にあって初めて分かったこと
2019年のあの4日間で私が痛感したのは、「電気が止まると、子育ての難易度は一気に跳ね上がる」という現実でした。
あらためて、体験して初めて分かった「答え」をまとめます。
電気のない真夏を想定していなかった私は、備えが足りずに子どもたちを危険にさらしてしまいました。
大切なお子さんと自分自身を熱中症から守れるように、ぜひ今から備えを始めてみてくださいね。
今回の台風停電から学んだ「本当に必要なもの」は、こちらの記事にすべてまとめています。





